![]() 1999年10月15日 中部経済新聞掲載 |
|
![]() トピック履歴一覧へ戻る↑ |
| 地域商業の低迷は全国各地どこをみてもそんなに違いはなく、特に酒販店においては数年前より、コンビニ、ディスカウント、地酒専門店、のいずれかの選択を迫られる時期が来ていた。愛知県阿久比町の酒販店 ウオゼンの都築利徳さんもそんなひとりで、地酒専門店に決めるまでにかなり試行錯誤を繰り返していた。酒の専門書を読むうちに今まで本当に酒のことを知らずに商売をしていたことにも気づき、もっと勉強しなくてはいけないとつくづく感じた。そんなときに日経新聞の地方版に「酒はこうして作る」というお酒の作り方を丁寧に紹介していた広告が目にとまった。企業秘密の部分もあってなかなかここまで詳しく酒の作り方を説明していることは珍しい。 | ![]() |
|
![]() |
そんなところに感動し、思いきって電話をして見た。もともと、酒屋さんにとっては蔵元は敷居が高く、そう簡単に電話はしづらいものである。電話をしたときは営業の担当の人が出て、もう少し勉強をして下さいと専門書を紹介してもらった。そんなところからお付き合いが始った。 その蔵元を選んだのは愛知県からでも車で行ける範囲だからだ。東北や新潟では遠すぎると判断した。石川県鶴来町の菊姫合資会社 社員30〜40人で精魂こめて酒づくりをしている蔵元である。お付き合いをするうちに菊姫社長とも馴染みになってきた。酒づくりについては鬼のように徹底した哲学を持っていて妥協は許さない頑固さを持っている。ところが普段の生活は人当たりが良くズケズケものを言う、普通のおじさんでいい加減なところもあってとても付き合いやすい。こんな人柄も好きになって、すっかり菊姫合資会社と親しい付き合いをすることになった。 | |
| 平成7年からのことである。お酒につかうお米づくりにも積極的に参加する。今年の山田錦の田植えには参加した。山田錦といえば酒米として最高のお米である。10月中旬の稲刈りにも出かける予定である。この田植えや稲刈りには酒販店の経営者がいつも6〜7人が自主的に参加している。いわゆる酒のすべてを知らなければ専門店として、酒を語れないといったプロ意識の持ち主ばかりが集る。いま、酒が売れなくなっている。それは売る側にも大いに責任があるのではないだろうか。地酒専門店と言いながらただ並べているだけで、酒の本当のよさをどれだけ知っているのだろうか?と都築さんは言う。売る側が本当のお酒の裏側まで知ってこそ、お酒を愛するお客様を開拓できるのではないだろうか。 | ![]() |
|
![]() |
コンサルティグの仕事をしていると、いろいろな業種で一生懸命努力をし繁盛している企業の経営者とお目に掛かる機会が多い。そんななかで、成功している経営者には一つの共通項が見えてくる。いわゆるその道のプロに徹していることである。例えば、以前このコーナーで紹介した北海道名寄市のケーキの喜信堂や、愛知県安城市の宝石専門店の杉浦保氏。世界60カ国の宝石の原石を自分の目で確かめ、購入し加工販売している。愛知県半田市の家具販売の一誠堂においても海外で木材を輸入し、自社で製造している。又、パリのサンドイッチを日本に持って来たいと15〜16回パリに行き、とうとう日本にその店を出店させた人など、プロに徹した経営者こそ、これからの商業の担い手として繁盛していく専門店と言える。ただ、店に並べるだけでは到底生き延びてはいけない。 | |
| 地域の商店がどんどん姿を消していくなか、専門店として生き伸びて行くには、いま、消費者が何を求めているか、徹底した勉強が必要ではないだろうか。それは勿論、店舗そのものも、きれいで入りやすく、品揃えが充実していることは言うまでもない。こうしたプロ意識を持った経営者がこれからを生き延びる経営者と言える。ウオゼンはまさしく酒の原点を探ろうと必死である。お酒もマニアかしていく傾向にある。少数派かもしれないが、根強いフアンも確かにいる。そうしたフアンのためにも蔵元とお客様を結ぶ店として全国に知って頂くと同時に、地域にしっかりと生きる店としておおいに期待できる店である。 ●ウオゼン 〒470-2216 愛知県知多郡阿久比町大字植大字柿崎22番地の1 TEL:0569-48-0070 |
![]() |
|
| トピック履歴一覧へ | 中部経済新聞連載記事(毎週金曜掲載) 『うつりゆく商業環境と躍進するまちと店』 広野 嘉代子 |
|