![]() 2000年5月19日 中部経済新聞掲載 |
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| このところの商業環境は全国各地に出店攻勢をかけ続けている大型店の影響で、大きく塗りかえられている。商店街も衰退の一途をたどり空店舗も続出する街も少なくない。そんななかで、新しい店舗のあり方を追求できる店が誕生し、話題を呼んでいる。愛知県豊川市八幡町の(有)生活総合研究所 土島茂樹氏経営のギャラリー「露風土」(ロフト)で、(株)空間工作室 大國護益大氏のデザイン・設計・総合プロデュースによって昨年11月に完成した。東名高速道路 音羽蒲郡インターから車で10分、豊川市八幡町の姫街道に面した便利な場所にあり、豊川の新しい名所として各方面から関心を集めている。 |
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妻の土島容子氏はお茶とお花の先生で、もともと商売を経験してきたわけではないが、本来もっている和の世界を大事に伝えて行きたいと願っている土島夫妻と建築・企画デザイナーの大國護氏との方向が一致したことから実現した和の文化を提案する店である。一つの空間に人が集り学べる場があり、和の文化をわかりやすくした商品がくらしという括りで並んでいる。デザインと生活のバランスを考えるのが暮らしであり、くらしを語ることが和の文化に繋がると大國護氏は言う。 | |
| 「露風土」は和の文化を提案し職人を育てる場として誕生させたものである。店内はオーダーメイドによる椅子やテーブルなどの木工家具・韓国李朝及び中国清朝の時代の家具・日本の古布・アジアの布コレクション・美濃和紙などの自然素材・陶芸コレクション・風呂敷ファッションなど作家ものの商品ばかりが販売されている。作家の思っている表現が見えていたり、つくり手の顔が見える商品でないと魅力がない。 |
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2階ではお茶やお花、陶芸の教室をひらく。大國護氏はここで「楽座」くらしを語ろうを開いている。毎日の生活を楽しく過ごしていただく為の術をみんなで身につけようと開いたもので、この地で一緒に暮らす人々と、衣食住を話し合う。人と語ることが、くらしの知恵を学ぶ最良の方法だと。先週、私がお店を訪問したときは「ふろしきの包み方教室」を開いていた。あまり馴染みのなかった風呂敷をいろいろな包み方で、変化させていく。今までとは違った風呂敷の魅力に取りつかれてしまった。早速、箪笥の引き出しにしまってあった風呂敷を引っ張り出して、小物入れを花びらのようにデザインして包んだ。部屋が一挙に明るくなった。そんな和の世界を堪能できる店内は、落ち着いた雰囲気と作家の方々の力作ぞろいの品々に心が和む。静かに時間が流れていく、こんな空間を求めるお客様は多いはず。 | |
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和の文化を提案する店づくりはまだまだ始りだ。この店舗を中心として、昔ながらの裏路地を彷彿させる井戸端空間を年内を目標に建設する方向で動いている。今まで日本では当たり前の風景になっていた、夏にはよしずに打ち水、手洗い石、つくばい、そして、家のまわりにはもみじが植わっている。そんな庶民的な空間を演出する構想だ。そして店はその味一品だけで勝負する、ゆば・ごはん・そば等のとびっきり美味しい店を、のれんとちょうちんだけで静かな路地を作り上げる。こんな心和む癒しの場所が庶民にいちばん求められていて、これからの時代に「和」のブームを巻き起こすのではないだろうか。
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| トピック履歴一覧へ | 中部経済新聞連載記事(毎週金曜掲載) 『うつりゆく商業環境と躍進するまちと店』 広野 嘉代子 |
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