観光資源をフルに生かす奥飛騨・河合村(ニッコウキスゲの花)

2000年6月23日
中部経済新聞掲載



観光資源をフルに生かす
奥飛騨・河合村

【なんでモアール】 〜全国の名産品・特産品を集めたショッピングモール〜
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 飛騨高山から国府、古川を通りどんどん北に向かっていくと、河合村に入る。高山から車で約50分。ここは富山県利賀村との県境であり、河合村の天生峠を通って世 界文化遺産の白川郷へ向かう最短ルートでもある。思い起こせば、4〜5年前飛騨地 区全域の広域店舗指導で各地を点々と1週間位かけて回ったことがある。忘れもしないのがこの天生峠だ。白川で仕事を終え、宿泊先となっていた高山に向かう頃には本格的な雪となり、前方はたそがれどきと重なり、どんよりと重く垂れ下がった雲と雪 で見えない。予定外の雪に車はチェーンの準備もなかった。内心二人ともこの峠が超 えられるだろうかとドキドキしていた。岐阜県商工会連合会の経営指導員さんと、無言で震えながら通ったのがこの天生峠だった。 河合村の冬景色
                          
1年の三分の一が雪に覆われている豪雪地
  突然猛威を震うのが自然の恐ろしさかもしれないが、自然の恵みと歴史的資源を最大限に生かしているのが河合村なのかも知れない。1年の三分の一が雪に覆われている豪雪地で、雪に悩まされるのではなく「豪雪」を「利雪」に転換し、むらおこしに活用している。「飛騨地方拠点都市地域基本計画」で河合村のテーマは「雪」であり、グチってみても雪は降る。どうせ降るなら利用するを合言葉に雪のイベントを展開してきた。それが、真夏に行っている都会の子供達への雪のプレゼントだ。
 各種のイベントを通じて全国各地の自治体と交流があり、雪が取り持ったのが、東京の麻布十番商店街である。貯雪施設に保管しておいた雪をトラックで何杯も運ぶ。思わぬ真夏の雪の出現に子供達は大喜びだ。村ではこの催しの場で、村の特産品をPRする。愛知県江南市・名古屋市・岐阜県羽島市・多治見市・大垣市などの納涼まつりイベント会場へ運びこまれる。雪を活用したイベントでは、毎年2月に行う「北飛騨かわい雪まつり」もある。村内の至るところにユニークな雪像が並び雪像コンクールや写真コンテストを開催する。スキー客や観光客が毎年大勢の人出で賑わう時期に行う。 河合雪まつり・15m超のバッキンガム宮殿
(余部集落)古代飛鳥時代のロマンを体験、1400年前にタイムスリップ!   しかし、どこでもやることをやっていては魅力がないと実施したのが、雪を夏まで保 存することだった。雪は大量の塊になると解けにくい。アルプスなどで夏場まで残る 「雪渓」がヒントになり、雪の多い真冬に雪を大量に固めて谷間に保存し、夏のイベ ントに使うことだった。最近では村外から雪の注文が来るようになった。元田地区にある匠童夢(どうむ)には、夏場でも大量の雪が保存され、氷室として利用されている。氷室では夏に桜を咲かせる花の抑制栽培や、お酒をじっくり熟成させる「雪中酒」の製造などが行われ、やっかいものの雪が特産品造りに役立っている。河合村に一歩足を踏み入れると、独特のロゴを使った「環境立村」の看板が目に付く。自然環境を守りながら住民の住みやすい村づくりを積極的にやろうとする、行政の姿勢が伺える。

  空気が澄んでいて水が豊富なところにしか生殖しない、ぶなの原生林や水芭蕉など高 山植物が咲き誇る天生湿原。天生県立自然公園は天生峠を中心に、これから夏に向かい絶好の時期を迎える。また前回と2回にわたって書いてきた映画「あヽ野麦峠」の主人公、政井みねさんの出身地でもある。飛騨と越中の国境として昔から交通の要所であり、越中西街道の名残りをとどめる二ッ屋御番所、戦国時代のロマン溢れる史跡が点在する。角川の専勝寺境内に糸引き工女だった政井みねさんがねむっている。今でも訪れる人の献花が絶えないという。まだまだ、豊富な資源をもつ河合村は自然と戦いながらも共生し、これからも無限の可能性を秘めた秘境の地である。   

かたくりの花 可憐な紫色です。
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『うつりゆく商業環境と躍進するまちと店』
広野 嘉代子