原生林の中で露天風呂が味わえる「ひらゆの森」

2000年9月29日
中部経済新聞掲載



原生林の中で露天風呂が味わえる
ひらゆの森

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 高山市からコスモスの咲き乱れる丹生川村を通り、長い平湯トンネルをくぐると目の前が突然広大な山々につつまれ圧倒される。しばらくそのまま平湯温泉方面に下っていくと平湯バスターミナルがある。そのバスターミナル近くの森の中に「ひらゆの森」(電話0578-9-3338)はある。平成8年12月に株式会社を設立し、営業は平成9年7月から行っている。15,000坪(50,000u)の広大な原生林の中に13の森の湯があり、裸で歩くことができる。男湯6ヶ所、女湯7ヶ所ある。広大なこの場所は神岡鉱山の保養所であった。

取締役支配人の山田幸一氏(32歳)
        自然散策路はみどりがいっぱい。
 あるとき神岡鉱山からひとまとめで売りたいと話しがあった。地元平湯温泉は、もともと結束力と仲間意識の強い土地柄である。外部の大手参入があっては平湯温泉のイメージが崩れてしまう。何とか地元で引きうけたいと、温泉旅館・売店経営者が出資して買収する事になった。約80%の出資者を得て株式会社(代表取締役 岡田昇氏)が設立された。同じ温泉旅館では競合するからとスタイルを変えた。平湯温泉には共同浴場がないので、日帰り入浴できる場所として始めようと考えた。しかし、保養所になっていたので宿泊施設は完備されている。そのまま遊ばせておいてはもったいないから宿泊も始める事になった。13ヶ所の露天風呂は新たに開設した。宿泊スタイルについては、温泉旅館のイメージはもたせないで、素泊まりの人や一人旅、都会のビジネスホテルのようなリーズナブルなお値打ち価格で宿泊できるようにした。
 余計なサービスは一切しない。ひらゆの森には共同浴場的でもあるし、気軽に誰でも入れるイメージを持っている。そして、若さ溢れる活気もみなぎっている。いろいろ話しを伺ううちに、この活気は取締役支配人の山田幸一氏(32歳)の若い経営感覚によるところが大きいことに気がついた。最初の計画段階から、参画していた山田氏は、近くの平湯キャンプ場の支配人をしていたベテランだ。キャンプ場も風呂がないとお客様が定着しない時代だと痛感していた。かといって簡単にお風呂をつくることも困難である。そんなときにこの話しが持ちあがった。計画が進むうちにその積極性を買われ、山田氏は取締役支配人に抜擢された。キャンプ場はこの近くなので相乗効果もある。現在も社員である。
キャンプ場はこの近くなので相乗効果もある。
平湯キャンプ場  まかされたからには絶対繁盛させたいという思いで経営にあたってきた。第三セクターは失敗しているところが多い。それは中途半端な立場しか与えていないからではないだろうか。成績と権力が比例して行かないから成功しないのではと、彼は言いきる。ひらゆの森の経営にあたっては、最初は役員全員で綿密に打ち合わせをしてきたが、従業員の採用から宣伝活動・備品購入などほとんど現場的には任されてやってきた。当初の目標入り込み客10万人、1日300人は2年目でクリアし、3年目は13万人。4年目は更に上半期で10%増ペースできている。ひらゆの森は安房トンネル開通直後にオープンした。そのタイミングも良かった。150m掘って、70℃の温泉が毎分400g涌き出る。

 

 13ヶ所の露天風呂をろ過循環しないで、そのまま出しっぱなしの状況が保て、水で薄める位の高いお湯がでることも恵まれていた。築30年の古い建物もいまでは田舎風を喜ばれ、入りやすさにも繋がっている。予想以上の反響に平湯温泉一体にも相乗効果が生まれた。団体旅行のように人任せの旅行のありかたから自分で選択する時代になった。そんなライフスタイルにあった宣伝活動を行っている。インターネットの取り組みも活発だ。山田支配人のひらゆの森だけでなく奥飛騨温泉郷全体を面として捉えて考えている度量の大きさにも感服する。

 詳しくは、「ひらゆの森」 http://www.hirayunomori.co.jpをご覧下さい。  
              

露天風呂
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『うつりゆく商業環境と躍進するまちと店』
広野 嘉代子