壮大な自然とIT化先進地の北海道別海町はすばらしい

2001年2月9日
中部経済新聞掲載



壮大な自然とIT化先進地の
北海道別海町はすばらしい

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 北海道別海町はオホーツク海に面し、広大で自然いっぱいの未開の地である。名古屋空港から千歳空港を経由し中標津空港で降りたち、車で約30分ほどで別海町につく。その日は晴天で雲一つない日だった。商工業者のみなさんに「インターネットで事業を拡大しよう」のタイトルで講演のため別海町商工会 (http://www.aurens.or.jp/hp/betsusyo/default.htm)を訪れた。夜の講演までには時間があるからと商工会の経営指導員さんが町内全域を案内して下さった。雪におおわれた大地はどこまでも続き、白樺林が絵画をみているように通り過ぎて行く。異国の地にきた感動でしばし仕事を忘れてしまった。中標津空港の地である中標津町は大型店や専門店が集中しかなりの集客力をもち、別海町からの買い物流出は避けられないという。商業面ではあまり元気がない。標津町を過ぎるとやがて野付半島がはるかかなたに見えてきた。 美しい白鳥たちが集まってきた。
水平線

 野付半島は春から夏にむけ原生花園として観光客が多い。水平線なのか地平線なのか見当もつかないくらい白一色が広がっていた。「あの水平線のむこうは流氷です」と案内してくださった経営指導員さんが指をさす。その流氷がとけて野付湾を凍らせていた。湖か海なのかの区別がわからない。野付半島を眺めながらホッポーロードという名の海岸線を通る。延々40キロも直線道路が続いていた。こんなすばらしい景観は本州では絶対みられない。途中で何度も車を止めて頂きデジカメに収めた。途中で白鳥台と北方展望塔に立ち寄った。肉眼でも国後島がよく見える。40年以上をかけたわが国最大の課題である。しばし、北方領土問題に心を馳せていた。国後島を遠くに眺めながらそのそばでは観光客が差し出す菓子を白鳥がおいしそうについばんでいる。北方領土には日本人は追放され、ロシア人がほとんどであると聞く。 気持ちを少し切り替えてぼんやりと白く浮かんでいる野付半島と水平線の流氷を眺めた。

 
地域住民が自由にふれることのできるパソコンも設置されている。 この野付半島は「北海の天の橋立」と絶賛され、野付風蓮道立自然公園となっており観光の中心である。別海町は広大な大地を生かした農業、海の畑で育てる漁業の町でもある。そしてもっとも驚いたのが、農業のネットワークシステムである。農家にパソコン・プリンタ・多機能端末1127台が導入され、農業・農村ネットワーク構築事業に取り組んでいる。
研修用パソコンが16台並んでいた。
150名収容の大型映像装置・プロジェクター完備のマルチメディアホール。

 酪農・畜産は迂回産業であることから、基本情報は生乳生産、乳質検査結果、牛群能力、粗飼料分析、資材価格、新技術情報、農家経済情報 ・クミカン情報、疾病情報、繁殖成績など広範囲にわたり、各団体独自の方法で情報提供をしている。そしてもうひとつが「遠隔医療支援システム」の導入だ。別海町の面積は四国の香川県に匹敵する面積があり、この距離的な問題を克服して地域住民に迅速な医療サービスが提供できるようにと情報化したものである。例えばマルチ画面を使い患者さんの顔を見ながら血圧データも表示できる。顔色や表情をしっかり確認できるし、医師も患者も移動せずに検診できる効果は大き い。通院していたときよりも患者さんの表情は明るいという。

 なにかあったら病院へという時代は終わり、住みなれた家庭で暮らしたいという高齢者のニーズにこたえていく時代ではないか。グレードの高い壮大な田舎づくりは情報化を抜きには考えられないとシステム構築に踏み切ったと佐野力三町長。これらを管理するマルチメディア館は平成11年4月に開館した。別海町役場の総務部主幹の川口清典氏に館内を案内 して頂いた。パソコン研修室は研修用パソコンが16台並んでいた。遠隔地の公共機関や各団体との多地点テレビ会議等ができるTV会議室。150名収容の大型映像装置・プロジェクター完備のマルチメディアホール。地域住民が自由にふれることのできるパソコンも設置されている。IT時代に先駆けたこうした取り組みは全国でも数少ない。思いもかけないIT先進地にきたものだと内心躊躇したが、夜の講演は大勢の商工業者の皆さんが熱心に聴講してくださった。広い大地と共生して生きる別海町の人々は、最新精鋭の技術と共にどこよりも豊かにすごしているのではないかと思えてきた。
別海町・マルチメディア館
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『うつりゆく商業環境と躍進するまちと店』
広野 嘉代子