こだわりの創作料理で人気の岐阜県瑞浪市のひさご

2001年6月1
中部経済新聞掲載



三重県紀伊長島町
「まちづくりシリーズ−1」


 紀伊長島町の名物行事をシリーズでとりあげて行きたいとこのコーナーで書いてからしばらくの時間が過ぎた。その間も各地に伺う機会が多く、まちづくりのあり方にもそれぞれの課題が多いことを感ずる。先日も岐阜県のあるまちの市会議員の先生とお話をしていてふと思ったことは、まちづくりは中心となって行う人たちの「このまちはこうありたい」というこだわりとかまちのすがたをしっかりもっているか、いないかに関わるような気がする。真剣にまちの活性化を考えていればチャンスは訪れてくる。紀伊長島町の「港市」が始ったきっかけは平成11年5月22日に実施した県事業「東紀州シンフォニー」からだった。このときは三重県知事・県民局長・町長も出席され盛大にひらかれた。

港市
港市

 この事業は熊野古道を扱ったミュージカルで、現在、港市を行っている「前浜」で実施された。県内外から6,000人が集まるイベントだった。ミュージカルのチケットはハガキで予約をとっていた。この事業を推進するにあたり、実施の2ヶ月前に県や町からせっかく町内外から紀伊長島町に沢山の人が来て頂けるのだから、飲食をしたり入り口付近で物産展やみやげ物を販売して盛り上げたらどうだろうかというものだった。また、以前から長島町漁業組合長との間で、魚市場を利用して何か出来ないだろうかとの話もあり、早速、各種団体に声をかけて出店者を募集した。港でやるから港市とネーミングもそのときに決まった。「東紀州体験フェスタ」は盛況のうちに無事終了した。その年の秋になって町を通じて県の意向を紀伊長島町商工会へ伝えてきた。東紀州 フェスタの時に行った港市はいろんな団体が集まっていてとてもおもしろい、補助金をつけるから今後もやって貰えないだろうかと言うものだった。

 チャンスを得たことには応えたいと早速、商工会では「東紀州体験フェスタ」後のフォローアップ事業の一環として取り組むことになった。頂いた補助金で先ずテント・平台・ほか七つ道具一式を購入した。その後、地元のお祭りにあわせて7ヶ月のうちに3回実施した。そして今のかたちの港市は昨年1月に「船だんじり」にあわせて行った。これが第1回目だ。それから毎月第2土曜日の朝9時から午後1時まで、会場は紀伊長島港の 魚市場内(長島町漁業協同組合前)で定着していった。出店数は50〜60店舗。お客様への案内は紀伊長島から津までの範囲で新聞折り込みチラシ10万枚をいれる。出店者募集もチラシ内でおこなっている。広域的な観点から紀伊長島町内の業者にこだわらない。
港市
港市

 その結果、紀伊長島から岐阜・松坂・伊勢・大阪・和歌山・大台・尾鷲・海山・紀勢などと広く出店者ができた。顧客は3,500〜5000人が集まる。平成13年4月からはストリートライブをはじめた。これは無料で場所を提供するもので、「南中ソ−ラン」「太鼓演奏」などの応募があり、港市は一層盛り上った。この4月の港市には私も参加させてもらったので、その盛況ぶりはつぶさに見てきた。これだけの人が紀伊長島町に毎月、集まってくるということは大変なことである。なかでも集客力が増すのは、「だんじり祭り・燈籠祭・商工会の記念大会」等まちのイベントと一緒に行う時である。このときは10,000人以上の人出でにぎわう。

 一方、出店業者に対しては、自主自立の目標を掲げ、準備から後片付け・ごみ処理まで各々が責任を持って行うような運営方法になってきている。当町は海水浴や釣りなどの観光客もあり、日帰りや一泊旅行のお客様が訪れても充分楽しめるまちである。民宿や飲食店も何件もあり料理職人の腕を振るう宿もあって、一度たずねて見るとその魅力に満足できるものがある。この港市が新たな観光名所として息づいて行くのも自然の流れのような気がする。ひとつのきっかけから今、また新たな構想が生れつつあり、まちが一層蘇るのはそう先の話ではないような気がする。 港市の問い合わせは紀伊長島町商工会TEL05974−7−0669まで。

早朝の紀伊長島
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『うつりゆく商業環境と躍進するまちと店』
広野 嘉代子