八光苑
2001年11月23

中部経済新聞掲載



宇津江四十八滝の
紅葉に栄える八光苑

 すっかり秋も深まった飛騨路は雄大なる北アルプスの雪の白さと紅葉で一層味わい深い季節となった。たびたび訪れる飛騨路であるがこの季節がいちばん好きなのかもしれない。ことに飛騨国府宇津江四十八滝周辺の紅葉はすばらしい。ご存知のように国府町は高山の隣のまちで国道41号線をしばらく走っていくと10分たらずで国府町である。宇津江四十八滝はその41号線沿いに大きな滝の看板があるのですぐわかる。料亭八光苑(吉城郡国府町宇津江3236−16http://hakkouen.jp/ TEL0577-72-3065)はその滝の入口近くにある。この店の経営者である北村晴光氏は昨年大病をした。

入口
庭の水芭蕉滝

 その病院生活をしているうちにインターネットに挑戦する気持ちになり、ホームページを立ち上げた。人間は弱いものでそんなときにはがっくりして弱気になるものなのだが北村氏は違っていた。50代後半からの挑戦である。今では活発に情報発信をはじめている。常に更新されているHPはとても楽しい。きれいに咲くコスモスや清楚なダイモンジ草やホトトギス、リンドウの花が色鮮やかに咲き、ナラやブナ、そして栃の樹が朝もやの中にしっかりと茂っている姿がホームページにのっている。四十八滝の深まる秋の様子がうかがえる。

 12月8日(土)朝8時から放映予定のテレビ朝日系「朝だ生です旅サラダ」に八光苑も出演予定でそのときの「浜美枝さん」の取材の様子も載っている。新着情報はいつもたのしい情報がつたえられる。まだまだしっかりと定着しているとは言えないインターネットだが、いちはやく挑戦していくバイタリティはすばらしい。国府町は観光名所として名高い高山市の隣町で、メジャーな観光地とは言えないところである。いわゆるまちそのものは農業の盛んなまちである。北村氏のお店は両親が昭和30年頃リュックひとつで引き上げてきて、八光苑のこの地を購入したことからはじまる。ここで精いっぱい生きた人だった。子供ながらにその姿を見て育った北村氏は自然に跡を継ぎ35年過ぎた。やはりがんばりとうしてきた人生だった。

おかみ
季節の料理

 そして今では、東京でしっかり日本料理の修行を積んで来た長男の家光さんも故郷にかえり、板長として腕をふるう。四季折々の山菜と旬のさかなをふんだんにつかった日本料理はお客様にも好評だ。最近、観光会社とタイアップして行った「宇津江四十八滝の紅葉ときのこ料理」は板長の料理と店のふんいきの良さでヒットした。お客様の声は「田舎の故郷にかえったみたい。」「ほっとする雰囲気がある」「料理が暖かくておいしい」「命の洗濯ができた」「一泊していきたいね」「高山の近くにこんなところがあるなんて知らなかった」「今度グループで、家族で、夫婦でもう一度きます。」とありがたい言葉を頂いたと言う。一生懸命やっていればどんな不況でも生き残りはあると実感した。

 努力はいつも怠らない。ご来店のお客様にはアンケート用紙にお店の感想や提言、そして住所、電話、Eメールアドレスを記入してもらい、後日、新着情報をメールでお知らせをしたりしている。そしてご来店の記念になるようにお客様の写真をとって当店のオリジナル用紙に印刷しお届けする。お客様には何よりの記念になるはずである。一度来ていただいたお客様には精いっぱいのおもてなしをし満足して頂く。いつもにこやかにお客様に接している女将の笑顔が素敵である。ここにくるとやっぱり俗世界のイヤなことも忘れさせてくれる何かがある。

お部屋
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『うつりゆく商業環境と躍進するまちと店』
広野 嘉代子